5.中国語普通話と台湾華語の違い
2017年06月15日 16時08分
自然とそれぞれの言語の違いに気づくことができます。
詳しくみていくと、一口に中国語とはいっても、
標準語である普通話と中国語の方言に分類されます。
そのため、ここでは中国語と台湾華語の違いを分かりやすくするために、
「中国語普通話(普通话)と台湾華語の違い」と題して、それらの違いについて話しを進めていきます。
違い① 標準語であるか、方言であるかの違い
はじめに中国語の基本や台湾華語の基本についてご紹介していきましたが、
これらの二つの言語の最大の違いは、「標準語であるか、方言であるのかの違い」です。
中国語普通話は、中国政府が制定している標準語です。
古くから伝わる中国語を簡略化させたものであり、中国の公用語として有名です。
日本人の多くが中国語を学ぶときには、この標準語を使います。
一方で、台湾華語は、台湾で用いられている中国語の方言の一つに含まれている言語です。
同じ中国語ではありますが、中国語普通話は標準語、そして台湾華語は中国語の方言であるといえるのです。
違い②中国語普通話はピンイン、台湾華語は注音記号で発音を表記する!
中国語普通話は、中国国内の公用語として定められているのに対し、
台湾華語は台湾で用いられている中国語のことを指しています。
そのため、台湾で使われる台湾華語は、中国語普通話とは違って、台湾訛りがある中国語を話しています。
台湾訛りになっていても、基本は同じなので会話が通じないということはあまりないでしょう。
・中国語普通話は発音記号に「ピンイン」を使う
日本で中国語を学ぶときには、発音を学ぶときには「ピンイン」を使います。
ピンインとは、標準語の発音をアルファベット表記で分かりやすくしたものです。
・台湾華語は発音記号に「注音」を使う
一方で、台湾華語は、発音を表示するときにピンインは使いません。
そのため、「注音記号」と呼ばれる発音記号を使って発音の違いを表記しています。
中国語普通話はピンインを習得していても、台湾華語の注音記号が分からないと
発音ができないということもあります。
このように、注音記号は台湾独自の発音記号であるといえるのです。
違い③ 簡体字か?繁体字か?
中国語普通話と台湾華語では、「読み書き」に違いがあります。
中国語普通話を公用語として使う中国本土では、読み書きに「簡体字」を使います。
一方で、台湾華語と用いる台湾では、読み書きに「繁体字」を使います。
・簡体字とは?
「簡体字」は、中国本土をはじめ、シンガポールなどでも中国語の読み書きに用いられています。
簡体字は、複雑でむずかしいとされていた漢字を、だれもが習得しやすいように簡略化されてできた漢字です。
中国国内で制定されている標準語である普通話には、簡体字が使われます。
日本語でいう漢字とは形状が大きく異なることから、文字だけをみても意味を理解することは難しいでしょう。
・繁体字とは?
台湾で話されている台湾華語で用いられている読み書きが、「繁体字」です。
そのほか、繁体字は香港やマカオなどでも用いられています。
簡略化された簡体字とは反対に、昔ながらの中国語の漢字をほとんど変化させないで
使っているのが繁体字の特徴です。
母国語で漢字を使っていない人にとっては、繁体字の難しい漢字を習得するのは
非常に困難なこととされています。
一方で、日本語の漢字や漢語に慣れている日本人にとっては、
繁体字を習得するのが比較的簡単だとされています。
日本語の漢字は、もともと中国語の漢字をもとにできたとされているので、
昔ながらの形を変えないで用いられている繁体字にはとても親しみが持てるのです。
繁体字の文字をみただけで、何となく意味を理解できるというのも
日本人が繁体字を学びやすいという理由の一つです。